初心者でもかんたんなグリザイユ画法で厚塗りイラストを描く方法4ステップ
この記事で分かること
- かんたんに厚塗りイラストが描きたいです
- グリザイユ画法とは何ですか?
- グリザイユ画法の描き方を知りたい
厚塗りイラストを描きたい人の疑問や悩みをこの記事で解決いたします。
厚塗りイラストと聞くと難しそうなイメージがありますが、今回紹介する「グリザイユ画法」をつかって絵を描くことでかんたんに厚塗りイラストを描くことができます。
グリザイユ画法についてと実際にグリザイユ画法を活用したイラストの描き方を紹介していきます。
グリザイユ画法を使って厚塗りイラストをはじめてみましょう!
グリザイユ画法とは
グリザイユ画法は色を付ける前にグレースケール(白黒)で陰影を描いていき、そのあとで色を付けていく画法です。この画法は、短時間で厚塗りテイストのハイクオリティなイラストを描くことができます。
基本的なイラストは、線画→着彩→陰影を描く という手順ですが、グリザイユ画法は 線画→陰影→着彩 といった感じで描く手順に違いがあります。
グリザイユ画法のメリット、デメリットは以下の通りです。
グリザイユ画法のメリット
- 短時間で質の高いイラストが描ける
- 線画をしっかり描かなくてもOK
- あとから自由に色が変更可能
グリザイユ画法では最初の段階に陰影を含めてイラストを描き始めるので、しっかりとした線画を描く必要はありません。そのため、綺麗な線画を描くのが苦手な人にはかなりおすすめの描き方といえます。
また、グレースケールの部分とカラー部分が別で分かれているので、イラストを大きく変更することなく色を変えることができる非破壊的なデータ作成ができます。
グリザイユ画法のデメリット
- 陰影をしっかり描く画力が必要
- ポップ調のイラストに向かない
グリザイユ画法はいわゆる厚塗りテイストなイラストに向いています。そのためアニメ塗りなどに比べると、ある程度の画力が必要にはなってきます。
また、同じような理由でポップ調なイラストには向きません。ポップテイストのイラストを描きたい場合はアニメ塗りのほうが向いています。
グリザイユ画法の描き方を4ステップ解説
それでは実際にグリザイユ画法をつかってイラストを描いていきます。
ステップ1:線画、シルエットを描く
まずはざっくりとでいいので下描きの線画を描きましょう。丁寧に線画を描いてもいいですが、あとで陰影を描きこむときに線画を消すことが多いのでそこまで丁寧に描きこむ必要はありません。
角などのシルエットが特徴な部分は線画で描くよりもシルエットで描いたほうが形をとらえやすいです。
ステップ2:白黒で陰影を描きこむ
グリザイユ画法のメインである陰影の部分を描いていきましょう。
基本的には明度50%のグレー色を基準に描いていきます。(理由は下で解説)グレー色に対して白くなれば明るい部分、黒くなれば暗い部分といった感じで陰影を描いていきます。
個人的には、はじめは黒の影の部分から描いていくことをおすすめします。
また明るい白の部分はあまり多めに描かないほうが良いです。白い部分が多いと金属光沢のような感じが出てしまい質感表現に違和感が出るので気をつけましょう。
ステップ3:別レイヤーで色をブレンド
グレースケールで陰影を描いた後は別のレイヤーで色を付けていきましょう。
陰影を描いたレイヤーの上に色だけのレイヤーを「オーバーレイ」で重ねることで色を付けることができます。カラーレイヤーを色ごとに分けておくと、後からそれぞれの色を変えることもできます。
グリザイユ画法でのカラーブレンド知識
さきほどグリザイユ画法では明度50%のグレー色を基準に陰影を描くと言いました。その理由は、その明度のグレー色にオーバーレイでカラーを重ねるとそのままの色が表示されるからです。
そのため明度50%のグレー色を基準に白か黒色になることで、カラー部分の陰影を調整していることになります。
ステップ4:加工加筆で色味を調整
グレースケールとカラーの2つのレイヤーを合わせて完成でもいいですが色味を調整してみても良いでしょう。
加筆や色加工の方法はいろいろあります。
- 乗算レイヤーで上から影を加筆
- 加算レイヤーでハイライトを加筆
- 陰影レイヤーにべた塗りを「カラー」でブレンドなどなど
加工の方法などは例をあげたらきりがないです。さまざまなイラストレーターの方がそれぞれの技法を持っていると思いますので、自分でもオリジナルの加工テクニックなどを探ってみるといいですよ。
まとめ
グリザイユ画法を使うと、短時間でかんたんに厚塗りレベルの質の高いイラストを描くことができます。
割りと雑な線画でもOKですし、後から色を変えることもできるなどメリットもたくさんあります。
初心者にもかんたんにできる画法なので、デジタルイラストを描いている方はぜひ挑戦してみてください。