はじめてのポートフォリオの作り方5ステップ【ゲーム会社デザイナーが解説】
- ポートフォリオってなんですか?
- ポートフォリオの作り方を知りたい
- ポートフォリオって何ページくらいがいいの?
ポートフォリオについての疑問にこたえていきます。
デザイナーとして就職または転職する際にはポートフォリオが必要なのですが、ポートフォリオの作り方やそもそもポートフォリオがどういうものか疑問に思う人も少なくないと思います。
今回は今までの就活経験での経験も踏まえながら、ポートフォリオの基本の作り方をまとめて紹介します。
みなさんのポートフォリオ制作の参考になればうれしいです。
ポートフォリオとは何?
そもそもポートフォリオが何かよく分からない人もいるかもしれないので簡単に説明しますと、「ポートフォリオ=自分をアピールする作品集」です。
デザイナーとして就職する際に、そのひとのアイデア力や技術力を作品を通して伝えるためのものです。基本的にクリエイター業界ではポートフォリオはほぼ必須であり、就活においてあなたの分身となるものなのです。
ポートフォリオの作り方5ステップ
それでは、ポートフォリオの作り方を大きく5つのステップに分けて解説していきたいと思います。
- 制作物、作品を整理する
- ポートフォリオの構成を決める
- 表紙、プロフィールをつくる
- 印刷データをつくる
- 印刷、製本する
1.制作物、作品を整理する
まずポートフォリオに載せる作品を集めましょう。
グッズ、立体物やデッサンなどの実物作品は写真などで撮影してデータ化をしておきましょう。意外と忘れがちな、作品のラフイメージやアイデアスケッチなども一緒に用意しておきましょう。もちろん没案もです。
作品が集まったらジャンルごとに整理しましょう。グラフィックデザイン、イラストレーション、3DCG、グループワーク、デッサン、その他などなど
このように作品をジャンル分けしましょう。のちに説明するページ数構成にも影響してくるのでジャンルの数は適度に調整しましょう。
2.ポートフォリオの構成を決める
作品を用意、整理が完了したら次にポートフォリオのページや印刷サイズなどの構成を決めましょう。
ポートフォリオのページ数
ポートフォリオのページ数は最低でも20、多くても80ページくらいがオススメです。
ページ数の決め方としては、様々なジャンルの作品がある場合は7、80ページくらいあってもいいです。逆にジャンルが少ない、例えばポスターデザイン作品しかない場合は80ページもポスターを見せられては退屈でしかないので、20くらいの少ないページ数がいいと思います。
また、クリアファイルにまとめる際に空きページがあってはカッコ悪いのでクリアファイルのページ数に合わせるのも大切です。
ページ数が調整できるクリアファイルや製本する方法もありますが、ページ数は4の倍数になるように注意しましょう。
ポートフォリオの大きさ
ポートフォリオの大きさは、ポートフォリオ内の文字サイズに影響してきますので早い段階で決めましょう。
小さい順からB5、A4、B4、A3サイズでつくられることが多いです。個人的オススメはA4サイズかB4 サイズです。
小さいサイズですと作品のインパクトは少し落ちますが、持ち運びやすさ、手に取ってもらいやすメリットがあります。大きいサイズですと持ち運びづらく邪魔になったりしますが、作品を大きくアピールできインパクトを与えるメリットがあります。
サイズの大きさで採用率が変わるわけではないので、自分の見せ方にあったサイズを選んでみてください。
ポートフォリオの冊数
ポートフォリオは一冊で収めるのが普通ですが、もしあなたがアピールしたい強みが複数ある場合2冊に分けてつくることをオススメします。
例えば、あなたがグラフィックデザインとデッサン、スケッチの2点が超得意だとします。この二つを一冊にまとめてしまうとどちらかの魅力が埋もれてしまう可能性があります。なので、グラフィックデザイン集」と「デッサン、スケッチ集」の2冊のポートフォリオに分けることで両方の魅力をアピールできると思います。
実際私もそのように作成して内定をいただきました。
3.表紙、プロフィールをつくる
ポートフォリオの表紙は初めに見られる大事な部分です。
表紙に最低限必要な情報は「タイトル」と「デザイン」です。
「タイトル」は 例:山田 太郎 のポートフォリオ、みたいな感じでもいいですが、センスを感じさせるなら英語で 例:Taro Yamada Portfolio、としたほうが印象はいいです。
「デザイン」は皆さんのセンス次第なので深くは言えませんが、参考までに例を挙げさせていただきます。例:自分のオリジナルのロゴマークを載せる、雑誌風のデザインにしてみる、文字と線だけでデザインする等
表紙の次にプロフィールページをつくります。1、2ページに収まるくらいで大丈夫です。プロフィールに載せるといい内容は以下です。
- 本人とわかる画像(写真よりも似顔絵のほうが印象が良い)
- 住所と連絡先
- 簡単な自己PR
- 使えるソフトウェア一覧
4.印刷データをつくる
いよいよ本題の作品ページをつくっていきましょう。Photoshop やIllustlatorなどのソフトがありますが自分が使いやすいソフトでつくって大丈夫です。個人的にオススメはIndesignです。
作品ページをつくるうえで大切なポイントがいくつかあるので紹介します。
- 見せたい作品順にのせる、基本は1ページ1作品
- 左ページに作品、右ページにラフイメージなどを載せる
- 作品タイトル、使用画材やソフト、製作期間を載せる
- 作品紹介の文章を載せる
- 共同制作の場合、自分が担当した部分を明記する
これらの基本要素を抑えていれば最低限問題ないと思います。
もしポスターを10種類描いたから全部載せたいという人がいた場合、1ページに1つのポスターデザインを10ページにかけて載せるのではなく、左に一番良いと思うポスター1つ、右ページに9つのポスターデザインを載せるといったように緩急をもたせて掲載するように工夫しましょう。
5.印刷、製本する
データが完成したら印刷をしましょう。
データの印刷は家庭用のプリンターでもいいですが、高品質を求めるなら外注で印刷することをオススメします。ちなみに私は「キンコーズ」にデータを持って行って印刷をしました。
印刷が完了したら製本です。市販のクリアファイルにファイリングしてもいいですし、個人または外注で製本を行ってもいいでしょう。
ちなみにクリアファイルと製本だと採用に差が出るかに関してですが、私の経験ではあまり関係ないと思います。
もちろん製本されたポートフォリオのほうが印象の良さはいい気がしますが、最終的にはその中身が大切だと思います。私自身クリアファイルのポートフォリオで就活して内定をいただいたので、クリアファイルだからダメというわけではありません。
ポートフォリオづくりは最後まで重要
ポートフォリオが完成して終わりではありません。
いろんな人に見てもらってアドバイスをもらうことで最後まで修正を重ねる、それがポートフォリオです。実際私も2回ほど作り直した後に1、2回は手を加えています。
まずはポートフォリオ1号をつくることが重要なので、この記事を参考にみなさんもポートフォリオをつくってみてください。