5ステップで描ける!比率を意識した体の描き方をイラスト解説【脱・顔だけ絵師】
- カンタンな体の描き方
- 体を描くときのコツや重要ポイント
この記事では、体全体の描き方とそのコツについて紹介します。
全身を描くことに抵抗があったり、難しいイメージを持ってる人はけっこういるのではないでしょうか。
実は、体の比率を意識することで初心者でも簡単に全身が描けるようになります。私含め多くのプロの方も、体の比率を意識して全身を描いています。
体の描き方は比率が重要
体を描くうえでとくに覚えておきたい人体の比率を8つまとめました。(太字は特に重要なポイントです)
- 上半身と下半身はだいたい1:1の比率
- 胴の部分は頭の大きさの2~3倍
- 肩幅:頭の横幅の1.5~2倍
- 足は股下から膝の長さと膝からくるぶしまでがほぼ同じ長さ
- 足先は足の長さの1/6の高さ
- 腕は型から肘までと肘から手首までがほぼ同じ長さ
- 手のひらはパーの時が顔の大きさより少し小さいくらい
- 首から股下までの3/5の位置に腰のくびれ
体には胴や腕、足などなどさまざまな部位があります。これらをしっかり描いていくためにはそれぞれの位置バランス、つまり体の比率が大切になってきます。
体の描き方は難しいと思われがちですが、人体の比率をしっかり学べば誰でも簡単にキャラクターの全身を描くことができます。
体の描き方を5ステップでイラスト解説
それでは体の描き方を5ステップに分けてイラスト解説していきます。
実際に体を描きながら読むとより人体の描き方の理解が深まりますよ。
ステップ1:体のアタリを描く
まずはざっくり全身のアタリを線と図形で描きましょう。
ここで気をつけたいのはシンプルに描きながらも、体の比率をしっかり意識して描くことです。
- 上半身と下半身は1:1の同じ比率
- 胴体は頭の大きさの2~3倍
- 肩幅:頭の横幅の1.5~2倍
- 足は股下から膝の長さと膝からくるぶしまでがほぼ同じ長さ
- 足先は足の長さの1/6の高さ
- 腕は型から肘までと肘から手首までがほぼ同じ長さ
- 手のひらはパーの時が顔の大きさより少し小さいくらい
- 首から股下までの3/5の位置に腰のくびれ
初めのうちは体の比率を覚えるのに必死で描くのに時間がかかるかもしれませんが、たくさん描いていくことで自然と知識がつきスラスラ描けるようになります。
今回は骨格を簡略化した感じの人体のアタリを描いていますが、描く人によっては様々なアタリの描き方があると思います。これが正解、というものはないので自分が描きやすいアタリを描く感じで全然OKです。
下記記事では、人体のアタリの描き方についてピンポイントで解説しています。体のアタリからしっかり勉強したい人はこちらも目を通してみてください。
ステップ2:顔、首回りを描く
アタリが描けたら、胴体を描く前に先に顔を描いておきましょう。
首は顔の1/3くらいの長さで、肩幅はだいたい頭の幅の1.5~2倍です。男性のほうが肩幅が広く、女性のほうが肩幅が狭いのが特徴です。
なお、デフォルメが強くなるほど肩幅が狭く描かれる傾向があります。
顔を描くのが苦手だと思う人はコチラの記事で基本的な顔の描き方を紹介していますので参考にしてみてください。
ステップ3:胴体部分を描く
それでは、胴体部分を描いていきましょう。
胴体を描くときは下記のポイントに気をつければバランスよく描くことができます。
- 胴体の大きさは、だいたい頭の2~3倍の大きさです。
- 胴体の上3/5が胸郭といって肺などがある胸の部分になります。
- 胴体の下2/5は骨盤にあたります。腰に手を当てるときに手を置く部分です。
腰のくびれは、胸郭と骨盤のあいだにできるので覚えておきましょう。
胴体の大きさは男女で多少異なりますが、胸郭と骨盤の比率にはそこまで差がないですね。
ステップ4:腕を描く
肩から腕までを描きましょう。
腕を描くときに意識したい比率は以下のポイントになります。
- 腕の長さは、肩から股下までの長さと同じになります。
- 腕の長さは、ひじを中心に1:1の比率になるので意識して描きましょう。
肩部分は「三角筋」という筋肉があります。その名の通り三角形のようなカタチをしているので、肩を描くときに三角形をイメージして描くと良いですね。
腕はひじ関節と手首が細くなるようになめらかな緩急をつけて描くときれいです。
手を描く
腕を描いたら手を描きましょう。
手の大きさは、顔の大きさより少し小さいくらいの大きさです。
手の描き方に慣れないうちは、手のひら、親指、その他4本の指を、3つのシンプルな図形に置き換えて描いてみましょう。下記記事で手の描き方をくわしく解説しています。
ちなみに、手は手首の関節を基準に90度ほど前後に傾くことができます。ポーズをつけるときに参考にしてみてください。
ステップ5:下半身を描いていく
さいごに足を描きます。ちなみに、足→手の順で描いてもOKです。ステップごとに解説していますが、正直どこから描いても問題ないです。
足を描くときに特に意識したいポイントはこちらです。
- 上半身と下半身が1:1になるように意識して足を描きます。
- 足の長さは膝を中心に1:1の比率になるります。
足は太ももが一番太く、膝に向かって少し細くなります。そして、ふくらはぎでまた少し太くなり、足首にかけて一番細くなっていきます。
カクカクにならないようになめらかな緩急をつけて描きましょう。
足先を描く
足先を足の長さの1/6くらいの高さで描きます。だいたい三角のようなカタチなので、三角形をイメージしながら描くと描きやすいです。
これで完成です。
上手に体を描くための描き方のコツ3つ
「もっと上手く体を描けるようになりたい!」というかたのために体を描く時のコツを3つ紹介します。
実際に私もキャラクターを描くときに意識するポイントなのでぜひ参考にしてみてください。
コツ1:アタリをしっかり描く
体のアタリはしっかり描きましょう。
イラストにおいてアタリや下書きはガイドラインのような働きをするので、アタリがしっかり描けていると体のパーツ位置が大きく崩れることがなく綺麗に描くことができます。
とくに初心者のほどアタリは丁寧に描きましょう。
コツ2:常に他のパーツとサイズ感を比較する
脚や腕などの体パーツの大きさは他の部分のサイズと常に比べることが大切です。
そのようにすることで「腕だけが長い」などといったアンバランスな体になることを防ぐことができます。
きれいなバランスで体を描くためにも常にパーツサイズの比較は意識しましょう。
コツ3:やわらかい曲線で描く
体のシルエットは曲線が多いです。
そのためやわらかい曲線で腕や足を描くことで、よりきれいに体を描くことができます。
人体の描き方を学ぶ方法を3つ紹介
最後に、人体を描く方法をもっと学ぶにはどうしたらいいのかおすすめの方法を3つ紹介します。
もっと人体をうまく描けるようになりたい!という熱心な方はぜひ参考にしてみてください
書籍「スカルプターのための美術解剖学」から学ぶ
人体を上手く描くためには、美術解剖学を通して体の構造を学ぶことが不可欠です。
たくさんの美術解剖学書が出版されていますが、なかでも私がオススメするのは「スカルプターのための美術解剖学」です。
- 文字よりも画像が多く、イメージしやすい
- 3Dモデルと実写の両方で説明しており分かりやすい
- 3Dアーティスト向けの本なので、3DCG制作にも活用できる
3Dアーティスト向けの書籍ですが、イラストを描く人にも十分に使える美術解剖学書です。
美術解剖学書というと難しい本のイメージがあると思いますが、この本は文字よりも画像が多く使われいるので、視覚的に人体の構造を理解することができ初心者の方にも超おすすめです。
人物デッサンやクロッキーで人の描き方を学ぶ
人物を描くデッサンやクロッキーを通して人体の描き方を学ぶのもとてもよいです。
デッサンだと時間がかかりますが、クロッキーならスキマ時間に練習ができますよ。
モチーフとしては、写真集や雑誌のモデルや、スポーツ選手などの人物写真が人体を描く練習としてオススメです。
筋トレを通して筋肉などの体つきを学ぶ
筋トレも実は、人体の構造を学ぶのにいい方法のひとつです。ガチです。
筋トレをすると、体が動いたときにどの筋肉が使われているかなど、体の構造をより意識することになります。
結果として、人体構造の理解につながり、体を描く時に構造を理解してうえで人を描けるようになります。
あと、健康的にもいいですよ。
体の描き方まとめ
体の描き方は比率を覚えることが大切ですね。
体を描くのは難しいイメージがありますが、人体の比率を覚えると意外と簡単に描けます。キャラクターの全身が描けるようになるとイラストを描くのがとても楽しくなります!
体の比率に慣れたらフリーハンドで描いたり、ポーズを付けてみたりしてみましょう。